シーバスロッドを選ぶ際に必要な知識・情報について。
これからシーバスロッドを購入しようと考えている方に向けた内容です。
目次
用途別で選ぶ・最適なシーバスロッドの長さと硬さ
最初の1本におすすめなスペック
最初に手にする陸っぱり用のシーバスロッドでおすすめなのは、長さ「9ft(約2.7m)」、硬さ「ML(ミディアムライト)」です。
その理由はこちら。
- この長さであれば、大抵の釣り場で不自由なく使える。
- 大抵のシーバスルアーが扱える。ミノー、バイブレーション・鉄板系など。
- 他の釣りにも使える。例えば、ヒラメ、マゴチ、タチウオ、クロダイ、小型青物(ライトショアジギング)、エギング、鱒(マス)、など。ちょい投げ、サビキ釣りにも使える。
つまり「汎用性が高い」。この一言につきます。
特に初めてシーバスロッドを購入する場合は、ごく限られた場面でしか使えないようなロッドは避けるべきです。
シーバスロッドの中には、限られた用途に向けて作られた専用モデルがあります。(例えば、バチ抜け専用モデルなど)
そういったものは、メイン用ではなくサブ用として買うようにしたほうがいいでしょう。

ブランド | 適合する品番 |
---|---|
シマノ | S90ML S900ML など |
ダイワ | 90ML など |
メジャークラフト | ***-902ML など |
サーフや磯の場合
特定のサーフや磯などでは、9ftだと「長さが足りない」ことが問題になるケースがあります。
- 遠浅サーフの場合、ロッドの長さが9ftでは、魚のいるポイント(ブレイクなど)にルアーが届かない。
- 波が高い日だと、ロッドやラインが波に叩かれやすく、ルアーの操作がしにくい。外洋に面したサーフで問題となりやすい。
- 磯場で足下に根がある場合、ロッドワークで回避できずルアーを引っかけてしまう恐れがある。
サーフや磯の場合、長さが「10ft(約3m)以上」のシーバスロッドを選ぶといいでしょう。
硬さは「ML」か「M」。
ライトショアジギングもやりたい場合や、ヒラスズキ狙いであれば、パワーのある「M」や「MH」のほうが向いています。
釣り場が狭い場合
例えば、小さな河川や湾奥の運河など、小場所で釣りをする場合。
ありがちなケースは、以下の通り。
- 橋の下、すぐ後ろに木があるなど、周りに障害物がある状況。ロッドが長いとキャストしづらい。
- 橋脚周りなど、シーバスが潜んでいる障害物のスレスレにルアーをキャストしたい場合。ロッドが長いと、ルアーを正確なポイントにキャストすることが難しい。
つまり、ロッドが長すぎて「キャストしづらい」「取り回しが悪い」といった問題です。
釣り場が狭い場合は、「8ft(約2.4m)クラス」のシーバスロッドを選ぶといいでしょう。
硬さは、ミノー中心であれば「L」を。
バイブレーションや鉄板など、重たいルアーも使いたい場合は「ML」を。
ブランド | 適合する品番 |
---|---|
シマノ | S80L S86ML S806ML など |
ダイワ | 80L 86L 86ML など |
メジャークラフト | ***-862L ***-862ML など |
※ちなみに、7ft(約2.1m)クラスのシーバスロッドが欲しい場合は、ボートシーバス用で探すか、バスロッドを流用するといいです。陸っぱり用のシーバスロッドで、7ftのものは見かけないため。
軽量ルアーを中心に使う場合
バチ抜け・マイクロベイトのシーズンのとき、あるいは魚がスレている、といった理由で小さくて軽いルアーを使う場合。
MLのシーバスロッドは、軽量ルアーを遠くへ飛ばしたり、アクションをつけたりするのには向いてないです。ルアーのウエイトに比べて、ロッドが硬すぎるためです。
軽量ルアーをメインに扱う場合、「L(ライト)」のシーバスロッドを選ぶようにするといいでしょう。
ボートシーバス用
最初に手にするボート用のシーバスロッドでおすすめなのは、「6ft(約1.8m)クラス」の「ML(ミディアムライト)」のスピニングロッドです。
ボートでのシーバス釣りでは、おおまかに分けて遠投重視のキャスティングゲームとキャスト精度重視の穴撃ちゲームの2つに分けられます。
キャスティングゲームでは6~7ft、穴撃ちゲームでは5~6ftの長さが目安となります。
つまり6ftクラスは、その2つをこなすことができる汎用性があるということです。
スピニングロッドを挙げた理由は、まったくの初心者でも扱いやすいからです。
ベイトタックルだと、慣れるまでキャストの練習が必要で、それまでの間はライントラブルに悩まされることが少なくありません。
なので、ベイトタックルに対して特にこだわりがなければ、スピニングロッドのほうをおすすめします。
またスペックの条件が合えば、ブラックバスやトラウト用のロッドでも代用することができます。
ブランド | 適合する品番 |
---|---|
シマノ | S606ML など |
ダイワ | 66ML など |
メジャークラフト | ***-66ML/S ***-662ML/S など |
備考
長さの選び方
シーバスロッドの長さは、釣り場に応じて決めます。
足場が高い、遠投が必要な釣り場。大きな河川・河口、サーフ、磯などは「長め」で選びます。
キャスト精度や取り回しの良さが求められる釣り場。小さな河川や運河などの狭い場所、ボートゲームなどは「短め」で選びます。
フィールド | ロッドの長さの目安 |
---|---|
ボート(穴撃ちゲーム) | 5~6ftクラス |
ボート(キャスティングゲーム) | 6~7ftクラス |
湾奥(運河筋、小場所)、中小河川 | 8ftクラス |
港湾部(堤防、開けた場所)、大型河川 | 9ftクラス |
河川、干潟でのウェーディング | 8~9ftクラス |
サーフ、河口 | 9ft以上 |
磯 | 10~13ftクラス |
※1ft(1フィート)=約0.3メートル。
参考
⇒ft(フィート)表記のロッドの長さをm(メートル)に換算
硬さ(ロッドパワー)の選び方
シーバスロッドの硬さは、扱うルアーによって決めます。
ロッドパワー | 用途 |
---|---|
L(ライト) | ミノープラグ、ソフトルアー(ワーム)など、軽めのルアーを中心に扱いたい場合。 |
ML(ミディアムライト) | ミノーからバイブレーション・鉄板系まで、一通りのシーバスルアーを扱いたい場合。 |
M(ミディアム) | 大型プラグやジグなど、重たいルアーを扱う場合。ライトショアジギングもしたい場合。 |
MH(ミディアムヘヴィー) | 〃 |
テーパーアクションについて
シーバスロッドのテーパーアクション(竿の曲がり、調子)は、ファースト~ミディアムあたりが一般的。
キャストやルアー操作がしやすいからです。
大抵のシーバスロッドの調子は、この味付けに設計されています。
釣り初心者は「スピニングロッド」
シーバスロッドには、スピニングロッドとベイトロッドの2種類あります。
スピニングロッドにはスピニングリールが装着できます。ベイトロッドにはベイトリールが装着できます。
釣り初心者は、キャストしやすく扱いやすいスピニングロッドを選ぶことをおすすめします。
ベイトロッドは、以前まではボート用が一般的でした。
近年、ベイトタックルで岸からシーバスを狙うスタイルが流行し、陸っぱり用のベイトロッドが普及しました。
自転車・バイク釣行なら「パックロッド」
パックロッドとは、コンパクトに収納できる竿のこと。モバイルロッドとも呼ばれます。
例えば、長さが約2.7m(9ft)のシーバスロッドの場合、継ぎ数が2つ(2ピース)だと収納時(仕舞)は140cmほど。
これがパックロッドの場合だと、大体70~80cm程度と、かなりコンパクトになります。(仕舞がさらにコンパクトなロッドもあります。)
パックロッドであれば、磯竿・投げ竿用のロッドケースにも収納できます。
自転車やバイク、あるいは電車などの交通機関を利用して釣り場に通う場合は、携帯性に優れたパックロッドがおすすめです。
PEラインを使う場合は「Kガイド」
Kガイドとは、キャストしたとき糸絡みしにくい形状のガイドのことです。
PEラインを使う場合、従来のガイドだと糸絡みすることが少なくありませんでした。
糸絡みとは、例えばキャストして、ルアーが飛んでいる最中に、リールから出ていくPEがガイドに絡まる現象のことです。こうなると、PEがバチン!と高切れしてルアーを失ってしまいます。
その対策として生まれたのが、Kガイドです。
PEラインは少しクセのあるラインなので、使い始めた頃はトラブルに見舞われがちです。
PEラインに慣れれば、Kガイドじゃない竿でもトラブルなくキャストできます。
最初の頃は、Kガイドのシーバスロッドを選んだ方が無難だと思います。
ライントラブルの原因を少しでも減らせる道具を使ったほうが、快適に釣りが楽しめるからです。
※ここでいうKガイドは、富士工業の「FUJIガイドコンセプト」に書かれてある「傾斜フレーム第3世代・K構造」のことを指します。
ちなみに、ガイドリング(ラインが触れる部分)は、 SiCリングやトルザイトリングがPEラインに最適とされます。
Kガイドであれば、ガイドリングは基本的にSiCリングです。(ハイエンドクラスのシーバスロッドであればトルザイトリングの場合有り)
主なメーカー・ブランドとおすすめ
シマノ
大手釣り具メーカーのひとつ。
シマノのシーバスロッドは、主に以下のシリーズがあります。
- エクスセンス
- エクスセンス ∞(2022)
- エクスセンス ジェノス(2020)
- エクスセンス ジェノス ベイトモデル(2020)
- エクスセンス ズーム(2022)
- エクスセンス MB(2020)
- ルナミス(2022)
- ディアルーナ(2018)
- エンカウンター
- フリーゲーム XT
- ムーンショット(2021)
- トラスティック
- ソルティーアドバンス(2019)
- フリーゲーム
- ルアーマチック
- ルアーマチック MB(2020)
シーバス初心者におすすめなのは「ルアーマチック」「ルアーマチック MB」「フリーゲーム」。値段は8千円前後でコスパが高いです。
上記ロッドのガイドは、KガイドではありませんがPEラインも問題なく使用できます。
Kガイドを搭載してるシリーズは「ムーンショット」から上位のモデル。
定番は「ディアルーナ」シリーズ。値段は2万円台。
「ルナミス」と「エクスセンス」シリーズは、上位~最上位機種。
ダイワ
シマノと同じく、大手の釣り具メーカー。
ダイワのシーバスロッドは、主に以下のシリーズがあります。
- モアザン
- モアザン ブランジーノ EX AGS(2020-2022)
- モアザン ワイズメン
- ラブラックス
- ラブラックス AGS(2021)
- ラブラックス AGS BS(2022)
- ラテオ(2019)
- ラテオ モバイル(2019)
- ラテオ ベイトモデル(2020)
- ラテオ BS(2018)
- シーバスハンターX(2020)
- モバイルパック(2022)
- クロスビート SW(2020)
- リバティクラブ シーバス
- ルアーニスト(2018)
- ルアーニスト モバイル(2022)
ダイワの入門向けシーバスロッドとしておすすめなのは「ルアーニスト」「リバティクラブ シーバス」。値段は約7~8千円。
シマノのルアーマチックとほぼ同じくらいの値段。
Kガイドを搭載してるシリーズは、「シーバスハンターX」から上位のモデル。
定番は「ラテオ」。値段は2万円台。
「ラブラックス」と「モアザン」シリーズは、上位~最上位機種。
メジャークラフト
値段が安く、入門向けとして評価の高いロッドメーカー。
メジャークラフトのシーバスロッドは、主に以下のシリーズがあります。
シーバス初心者向けは、「ファーストキャスト」か「ソルパラX」。値段は、前者が7千円前後、後者が9千円前後。
Kガイドを搭載してるシリーズは、3代目クロステージから上位のモデル。
オリムピック
釣竿を国内で製造しているメーカーのひとつ。ゴルフシャフトの製造でも有名。
オリムピックのシーバスロッドは、グラファイトリーダー「アルジェント」シリーズで展開中。
- スーパーアルジェント(2018)
- アルジェント プロトタイプ(2019)
- 16 アルジェント プロトタイプ(2016)
- アルジェント UX(2021)
価格的に、釣り経験者、中~上級者向け。
天龍(テンリュウ)
釣竿メーカーの老舗。国内で製造している数少ないメーカーのひとつ。
古くから国内・海外のメーカーのロッドを手掛けていることでも有名(OEM)。
ヤマガブランクス
釣竿を国内で製造しているメーカーのひとつ。
ヤマガブランクスのシーバスロッドは、主に以下のシリーズがあります。
価格的に、釣り経験者、中~上級者向け。
※アーリー・リミテッドは公式オンラインショップのメンバーズ限定販売モデル。
シーバスロッドの代用として使える竿
以下の竿が代用できます。
- バスロッド
- トラウトロッド
- エギングロッド
- ショアジギングロッド(LSJ用)
- ライトゲームロッド(メバルロッド)
バスロッド
硬めのバスロッド。MやMHなど。
20~30gのルアーを投げられるものであれば代用可能。
バスロッドは長さが短めのものが多いので、小場所やボートシーバス向けです。
トラウトロッド
河川・湖用(ネイティブトラウト用)のトラウトロッドが、シーバス釣りに流用できます。
管釣り用(エリアトラウト用)は、シーバス相手にはライトすぎるので不向き。
セイゴ相手なら管釣り用のロッドでも使えると思いますが、投げられるルアーが5g以下のものばかりなので、やはり代用は厳しいかと思います。
エギングロッド
使用するルアーウェイトにあった硬さであれば代用可能。
例えば、3.5~4号のエギがキャスト可能で、長さ8.6ftあたりのエギングロッド。
⇒長さ8フィートクラス、適合エギ3.5号のエギングロッドまとめ
ショアジギングロッド
ライトショアジギング用のものが使えます。
例えば、30gか40gのジグが投げられるもの。
メジャークラフト製なら、SSJ(スーパーライトショアジギング)や、LSJ(ライトショアジギング)のモデル。
ライトゲームロッド(メバルロッド)
流れが緩やかで周りに障害物がない釣り場であれば、ライトゲームロッドはシーバス釣りにも使えます。
特に、軽量なルアーを使用する場合(バチ抜けシーズンの時など)は、シーバスロッドよりもライトゲームロッドのほうが使い勝手がよかったりします。
ライトゲームタックルで釣れたシーバス。
ロッドは「クロスビート 764TULFS(旧モデル)」。適合ルアー0.8~7g。
リールは「シマノ 13 ナスキー 1000S」。
ラインはPE0.6号+リーダー2号。
ルアーはメバル・アジ用のソフトルアー+ジグヘッドリグ。
シーバス釣りに使うライトゲームロッドのスペックは、10g程度までのルアーが投げられるものがおすすめ。
メバリング向けの竿、ライトゲームロッドの中で比較的硬めのモデルが最適。
フッコサイズなら普通にやりとりできます。やりとりの最中に竿が折れることはありません。
※ライトゲームロッドでシーバスを釣る場合、ランディングネットは当然必須。抜き上げる場合は、約20~30cmまでのサイズが無難。
ちなみに、ラインはPE0.6号であればメバリングに使え、かつシーバス相手でも十分な強度があります。(要リーダー)